売場における季節装飾の必要性と活用術


コロナ禍を経て、買い物に関してもデジタルシフトが大きく進んだと言われている昨今。リアル店舗の売場づくり、販促施策も見直されてきています。その中でも店内の賑やかし・雰囲気作りにも活用される季節装飾に関しては、その使い方や役割を見直しているという話もよく聞きます。そこで今回は、改めて「季節装飾」を活用するメリットや、活用術について解説したいと思います。

売場に季節装飾をつけるメリット


季節装飾がもたらす効果は、単に賑やかしや盛況感の演出だけではありません。ここでは小売店で季節装飾をつけることで得られる主なメリットを3つご紹介します。

季節商材の購買意欲を刺激する

まずひとつ目のメリットは、季節商材・関連商材の「購買意欲を刺激」することです。例えば、
桜の装飾を見てお花見を想起し、お花見の予定を立て、惣菜・飲料・紙コップなどの関連商材を購入しようと思う
海やハイビスカスモチーフの装飾に触発されて、夏服や水着売場を見てみようと思う
クリスマスの装飾を見て、パーティー用品やプレゼントの準備をしようと思う
など、装飾があることによって来店客に気づきを与え、購買もしくは購買準備の行動へ導くことがイメージできると思います。この点だけでも、季節装飾が来店客へもたらす影響が大きいことがわかります。

売場の立ち寄り率UP

ふたつ目のメリットとして挙げられるのが「売場の立ち寄り率のUP」です。小売店にとって客単価UPを図るために重要な要素として、「非計画購買」いわゆる「ついで買い」を促すことが大きな課題となります。「ついで買い」を促すためには、まず来店客を売場に立ち寄ってもらい、商品を手に取り、検討する機会を創出する必要があります。しかし、来店客は購入予定の無い商品の売場、興味のない売場では立ち止まらず素通りしてしまいがちです。そこで有効なのが季節装飾です。弊社の調査でも、賑やかな装飾は来店客にとって売場に足を止める一定の効果があることがわかっています。売場に季節装飾を施すことは、その賑やかさやアイキャッチ性から来店客の興味を引き、売場に足を止め、検討いただく機会を創出することに繋がる手段のひとつとなるのです。

店内の「居心地の良さ」演出の一助に

弊社の調査では、食品スーパーにおいて店内の「居心地の良さ」は買い物に影響する要素としても大きいことがわかっています。来店客にとって「居心地の良い」お店では、自然と滞在時間が増え、その分商品を手に取る機会が増えることで「ついで買い」に繋がりやすくなります。では、小売店での「居心地の良さ」を演出するのは何かというと、清潔感や空調温度など当たり前のものから、BGMやディスプレイなど来店客の耳や目を楽しませる仕組みなど様々な要素があります。そのひとつとして季節装飾は、季節感を演出し来店客を楽しませるだけでなく、定期的に売場に変化を与え、常連客にとっても飽きのこない売場演出ができるため、「居心地の良い」店内づくりに効果的と言えるでしょう。

季節装飾のお役立ちアイテム活用術


ここでは季節装飾の中でも、使い勝手よいデコレーションをピックアップし、その活用例をご紹介します。

スプレー

ローコストで使い勝手のよい「スプレー」。ネット什器には枝を差し込むだけで展開可能です。また、クリップ付きの場合は陳列箱などに挟むことで、積陳列や島陳列の売場でも展開できます。さらに「造花ホルダー」を活用することで、よりキレイに連続展開できます。

ガーランド

季節装飾としてメジャーな「ガーランド」は、売場に合わせて多彩なアレンジが可能なマルチアイテム。シンプルに棚に合わせて横展開、エンドサイドやスタンドに合わせて垂らして展開、パネル周りに巻き付けるように展開するなど、汎用性の高いデコレーションです。

ガーランド特設サイト

プリーツハンガー・センター

吊り型デコレーションの主力となる「プリーツハンガー」と「センター」。シンプルに天井から吊り展開をすれば、遠目からの視認性も高く、効果的に季節感を訴求できます。また、天吊りがNGの店舗においては、フロアスタンドを上手に活用することで、見栄えの良い売場づくりが可能です。

プリーツハンガー特設サイト

まとめ

今回は季節装飾の必要性について紹介しました。「売場への立ち寄り率を高め」「関連商材の購買意欲を刺激し」「店内の居心地向上に寄与する」季節装飾は、消費者に対しデジタルでは提供できない価値を改めて示す必要があるリアル店舗にとって、その手段のひとつとなるツールではないでしょうか。単にポスターでテーマを伝えるだけの売場ではなく、季節装飾と組み合わせることで相乗効果を生み出し、来店客にとってより魅力的な売場づくりをしていきましょう。

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