2023年の母の日は、新型コロナウイルスの位置づけが「5類」に移行した直後のタイミングとなります。消費者としてはwithコロナのライフスタイルから急激に変化することはないものの、気持ち的にも楽になり、よりアクティブに行動することが増えることが予想されます。そのため、コロナ禍では対面での接触を避け、プレゼントを贈る場合もネット購入⇒配送を選択していた傾向から、母の日に向けてお店でプレゼントを購入したり、実家に訪問し食事などを楽しむ消費者も増えてくるでしょう。近年の物価上昇から売上の伸び悩みが続くなか、需要を喚起できる「母の日」という催事を販促に活かすためのポイントを解説します。
2022年5月の消費動向
スーパーマーケット販売統計からの推察
2022年5月の販売統計によると内食・家飲み需要の恩恵をうけていた「総菜部門」以外、「生鮮3品」「日配」「一般食品」と軒並み前年割れの数値となっています。特筆すべきは「母の日」に向けて需要の高まる「生花」が含まれる「青果部門」も落ち込んでおり、コロナ禍において店頭での購入ではなくネットでの購入に流れたことも影響していることが推測されます。全部門で落ち込みの共通要因として考えられることは、やはり物価高騰に伴う価格上昇でしょう。2023年においても年明けから各商品の値上げが続いており、消費者の買い控え・節約の意識が売上に影響を及ぼすことは想像に難くありません。
母の日に関する消費者動向
※引用:母の日コム「2022年“母の日”に関する意識調査」
まず図1-1で分かる通り、「母の日」にすることとしては『お花やプレゼント贈る』人が多く、特に『お花を贈る』『お花とプレゼントを贈る』比率は全体の約6割に上ります。また、気になるポイントととしては、『一緒に時間を過ごす』と回答した比率が、例年の統計値である図1-1では3.6%であったのに対し、2022年の回答(図2-2)では5.9%まで上昇している点です。これはコロナ禍での制限下において離れた家族との接触を控えていた状況から、2022年は行動制限なしとなったことで接触意向が高まったことが要因であることが予想されます。そのことから、新型コロナウイルスの位置づけが「5類」に移行する今年の母の日では、より『一緒に時間を過ごす』意向が高まる可能性もあるでしょう。
次にお母さんへの贈り物に関するアンケートでは、図2の通り「スイーツ」が最も高く「お花」「グルメ」と続きます。そのほかには「洋服・装飾品」「お役立ちアイテム」など実用品とあわせて「美容・健康関連」の需要もあることがわかります。
強化すべき売場とポイント
生花売場
やはりまず強化すべきは「カーネーション」を主体にプレゼント需要が見込める生花売場でしょう。コロナ禍を経てギフト用の生花を購入する際も、その他の商材と同様ネット購入を検討する消費者が増えていることも事実です。しかし2023年の母の日は、新型コロナウイルスの位置づけが「5類」に移行することで多少なりともアクティブになる消費者に対し、改めて店頭で直に商品を見て選ぶ楽しさを思い出させる良いきっかけとなります。そのため、売り場でもしっかり母の日を訴求して気づきを与えることが重要になります。使用するツールは、「生花」が持つ商品の彩り・華やかさを邪魔しない落ち着きのあるデザインのポスターや、取り付けやすいフラッグなどがおすすめです。売場にスペースがある場合は、視認性の高いタペストリーなどを活用してもいいでしょう。
AS9-0441 A3ポスター Mothers Day TC1-0057 Mothers Dayタペストリー
XS1-0035 母の日バルーンブーケ TC1-2057母の日ギフトフラッグガーランド
精肉売場
飼料原価や輸送費の高騰からくる値上げで苦戦を予想される精肉売場に関しても、母の日にあわせて是非とも売りの山場を作っていきたいところです。そこで、前述したように母の日に「一緒に過ごしたい」と考えている消費者に対し、ちょっとした特別感を味わえる『ハレの日メニュー』を訴求するのがおすすめです。『ハレの日メニュー』は精肉との相性がよく、さらに青果や調味料などの関連商材の訴求もしやすくなります。ポスターや腰幕を使ってしっかり売場を演出しつつ、クロス展開用の什器などを併用して他部門商材とのシナジー効果を狙いましょう。
AP9-5055 長尺ポスター 母の日はギュウっと愛を込めて! TE1-1364 マザーズデーペアラッピング
KN8-0025 MDスタンド KK8-0242 マグネット式ワイヤーバスケット
トマト売場
トマトの花言葉が『感謝』であることから、近年母の日にトマト売場をプッシュする小売店も増えてきました。彩りもよくヘルシーなトマトは母の日メニューとも相性がよく、カラーも母の日とマッチしているため、映える売場も作りやすくなります。他部門と同様、価格の高騰で落ち込みぎみの青果売場の目玉として、母の日演出を施してみてはいかがでしょうか?展開するツールとしては、『感謝』の花言葉を周知させるための告知ポスターに加え、母の日にピッタリなヘルシートマトメニューを訴求するのがおすすめです。
AS9-5035 A3ポスター ベーコンのパンツァネッラ風サラダ AS9-5038 A3ポスター トマトカップのひとくちサラダ
スイーツ売場
上記アンケートでも挙げたように贈り物としての需要が高く、多くの小売店でも強化されるのがスイーツ売場です。売場では母の日訴求はもちろん、ギフト感を演出するために腰幕やサテン生地を活用するのがおすすめです。また、関連商材の拡販のため、一緒に楽しめるコーヒーや紅茶、デコレーション商材・カトラリー商材をクロス販売してもいいでしょう。
BA1-0343 パラポスター Mothers Day NT5-0004 かんたんロール幕 GIFT
OK-DR00001 卓上関連台W600 TE8-9045R サテン生地 レッド
その他イベント(似顔絵イベント・メッセージカード・カーネーション造花)
母の日を盛り上げる施策として、コロナ禍以前によく実施されていたのが「似顔絵イベント」です。お子さまにお母さんの似顔絵を描いてもらい、店内に掲示することで再来店を促すイベントですが、コロナ禍に入ってからは非接触の観点から取りやめや規模の縮小をした小売店も多いでしょう。しかし2023年においては前述でも述べたように、よりアクティブに活動する消費者も増えてくると予想されるため、イベントへの参加意欲も向上すると思われます。
そのため、この機会に「似顔絵イベント」を実施することでより高い効果を見込めるだけでなく、コロナ禍で失われていた消費者とのコミュニケーション機会を創出することにも繋がるでしょう。
また、母の日ツールとして王道の「メッセージカード」や「カーネーション造花」をバラマキとして活用することも、コミュニケーション機会の創出に効果的ではないでしょうか。