【来店中編】食品スーパーの買い物に関するアンケート(独自調査レポート)

本調査では、食品スーパーを利用する消費者の「来店中」の買い物行動に焦点を当てました。

店内でのルートや立ち寄る売り場、買い控え・買い増し(追加購入)の実態、さらにはどのような販促施策が行動に影響しているのかを把握するため、関東地方在住の女性653名を対象にアンケートを実施しました。

1. 買い物の店内ルート

買い物の際の店内ルートについて、「ほぼ毎回同じルートを通る」「なんとなく似たルートを通る」と答えた人は87.3%。
ほとんどの買い物客が自分なりの習慣的なルートを持っていることが分かりました。
この傾向は、立ち寄りやすい売り場に商品や販促物を配置することが、購買機会を生む可能性を示していると考えられます。

2. 立ち寄る売り場・立ち寄らない売り場

「毎回立ち寄る売り場」では、「野菜」(70.2%)、「肉・ハム」(54.7%)、「魚」(46.5%)が上位を占めました。
一方で「立ち寄らない売り場」では、「練物・漬物・佃煮」(23.5%)、「インスタント・乾物」(17%前後)といった加工系の売り場が挙げられました。
この結果から、メインのおかず・食材ゾーンを中心に売り場を回遊している様子が伺えます。
逆に立ち寄られにくい売り場ではPOPや隙間什器施策と価格施策などを掛け合わせて、商品との関連購買を促す施策を取り入れてみてはいかがでしょうか。

3. 買い控えしつつもメリハリを持たせて「プチ贅沢」を楽しんでいる

物価高の影響で「菓子・スイーツ」(33.7%)や「高級食材」(32.6%)などの買い控えが目立つ一方、「新商品・季節限定品」「ちょっと高い惣菜やお肉」「贅沢スイーツ」といった「プチ贅沢」には財布の紐が緩む傾向にあることがわかりました。

「自分や家族へのご褒美」(54.0%)、「おいしそうに見えた」(47.7%)といった心理的な理由が上位に挙がっており、買い物中の感情に訴えるアプローチが購買を後押ししている様子が伺えます。

4. 手に取った経験のある販促施策

実際に思わず手に取った販促施策としては、「値引きシール」(68.5%)や「◯%増量表示」(34.8%)など、価格訴求が依然として強い影響力を持っていることが確認されました。
一方で、「季節・催事の装飾」「話題の商品POP」「五感訴求の写真POP」など、演出・感情訴求の工夫にも一定の効果が見受けられました。
価格を訴求するだけでなく、ムード(気分・雰囲気)づくりも「プチ贅沢」「プラスα」の消費を促すきっかけとなりそうです。

5. つい手に取りたくなる売り場

4パターンの惣菜売り場の画像を提示して比較したところ、「季節や催事演出」が最多の36.4%、
次いで「おいしそうな写真パネル演出」(24.0%)が選ばれました。
これは、売り場の価値は“時短”や“便利さ”だけでなく、感情に訴える“ムード(気分・雰囲気)”演出にもあると言えるのではないでしょうか。

①景観重視|②季節・催事演出|③おいしそうな写真パネル演出|④メリット提案演出

まとめ

今回の調査から、物価上昇のなかでも消費者が「節約」と「プチ贅沢」のバランスを取りながら、メリハリを持った購買行動を取っていることがわかりました。

日常的に立ち寄る売り場でも、ちょっとした気分の変化が、購買を左右すると言えるのではないかと思われます。
販促施策としては、値引き・増量といった価格面の訴求に加えて、視覚や雰囲気で魅力的に映る売り場をどう作れるかが、売上アップに繋がるカギになりそうです。

皆さまの店頭施策のヒントになれば幸いです。

調査概要

調査内容:食品スーパーの買い物に関するアンケート
調査期間:2025年7月
調査対象:関東地方在住の節約を意識している15~89歳の女性
有効回答数:653名
調査方法:ジャストシステム提供「Fastask」によるインターネットリサーチ

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最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

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