2025年バレンタイン商戦 購入プロセスを踏まえた売場作り

バレンタインデーは、小売企業やメーカー企業にとってギフト需要を狙える非常に重要な商戦です。近年の傾向として、贈る対象は恋人だけでなく、家族・友人・同僚、自分へのご褒美など様々で、対象となる商材もメイン商材となるチョコなどのスイーツはもちろん、家電や衣類、化粧品、雑貨等小物など多岐に渡ります。また、消費者の好みや行動は常に変動しており、バレンタインの売り場作りにおいても消費者の動向を取り入れた工夫が必要です。

2025年 バレンタイン商戦のポイント

2025年のバレンタイン商戦のポイントは、デジタルとリアルの連携による新しい「買い物体験」の提供です。なぜなら消費者がオンラインとオフラインの両方のメリットを取り入れた購入体験を求める傾向が高まっているためです。

特にバレンタイン商戦では、チョコレートやギフトアイテムなど、品質や見た目を重視する商品が多く、消費者は実際に手に取って確認することで安心感を得たいと考えます。一方で、オンラインでの情報収集を大切にし、効率的に購入プロセスを進めたいというニーズも強く、デジタルでの事前調査も重要視されています。

そのため消費者は、オンラインで様々なブランドや商品の情報を比較し、価格やレビューを確認してから購入候補を絞り込んだ後、実際に実店舗へ赴き、商品をその場で確認してから比較・検討・購入するというプロセスを踏みます。バレンタイン商戦で勝ち抜くためにも、企業側はこのような消費者の購入プロセスを意識した上で、実店舗での売場作りやオンライン環境整備を行っていく必要があります。

バレンタイン売場作りのポイント

ここでは昨今の消費者の購入プロセスを踏まえた上で、実店舗でのより効果的な売場作りのポイントを解説します。

まず一番重要なことは、実店舗に来店した消費者が、購入を決定づける情報・魅力をいかに伝えられるかです。商品現物を見て・触って比較して貰うことはもちろんですが、権威性やブランド価値を高めるランキング情報や、使用時のメリットを想起させやすいイメージ訴求のシズル・動画を活用するのも効果的です。また、オンライン上では伝えきれない付加情報を、スタッフのおすすめポイントとして訴求するのもひとつの手段です。

また、消費者動向を意識した売場戦略も必要です。例えば、2024年には「推し」の相手に自分の「推しアイテム」を贈る、いわゆる「推し活」の一環としてバレンタインを楽しむ風潮が話題になりました。そのため2025年も「推し」の観点でのバレンタイン戦略をとる企業も増えることが予想されます。この「推し」アイテムを探している消費者の店舗における行動を考えると、共有・共感の願望から、商品購入後はもちろん、選定・検討段階から商品の撮影・SNS投稿をする消費者も多いと考えられます。この消費者行動は、SNSでの商品情報の拡散に繋がり、オンラインで情報収集をしている別の消費者へのアプローチ⇒実店舗への誘引に繋がる可能性もあるため、企業にとって、実は重要なポイントになります。そのため、そういった消費者行動をサポートするために、「店内での撮影OKを告知する」「映える写真が撮影できる商品陳列」などを意識した売場作りをするといいでしょう。

デジタルとリアルの融合(ウェブルーミング)

前述した通り、消費者のショッピングスタイルの広がりに伴い、ショールーミングの逆で、オンラインで商品を探したうえで、在庫のある実店舗で購入する「ウェブルーミング」という行動が急速に普及しています。

ECサイトを主軸としたオンライン上で、じっくりと商品の詳細を検討して候補を絞り込んだうえで、最終的に店頭で商品を決めたい、実際の商品を確かめたい、すぐに商品を手にしたい、そういった理由で、ECサイトでなく店頭購入を選択するスタイルです。

そのため、消費者のウェブルーミングを支援するためにECサイトと実店舗をしっかり連携させ、ECサイト利用者を実店舗にスムーズに誘導する仕組みを構築することが、消費者にとって利便性・効率性を高 めることに繋がり、顧客の囲い込みやロイヤリティUPが期待できます。

  • 在庫確認機能:ECサイトで顧客が関心を持った商品の在庫状況を、リアルタイムで店舗ごとに確認できる機能を導入することで、無駄な店舗訪問を避けることができます。「在庫残りわずか」の通知を表示することで、早めの行動を促し、購入決定を加速させる効果があります。

 

  • 店舗取り置きサービス:顧客がECサイト上で選んだ商品を事前に店舗で取り置けるサービスを提供することも、顧客満足度を高める重要な対応策です。これにより、消費者は店頭での在庫切れのリスクを避け、安心して購入できます。また、取り置きのプロセスをスムーズに行うためには、ECサイトと実店舗とのシステム連携を強化することが求められます。

まとめ

ウェブルーミングと実店舗での体験を組み合わせることで、消費者にとってより魅力的な購入体験を提供できます。また、企業にとっても顧客満足度を高めるだけでなく、競合との差別化にもつながります。この相乗効果を最大限に活用し、バレンタイン商戦での成功を目指しましょう。

 

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