2024年の年間訪日外客数は36,869,900人でコロナ前の2019年と比較しても15.6%増となり※、年間過去最多を更新しました。2025年には大阪万博を契機に、さらなる観光客の増加が見込まれています。
※ 出典:日本政府観光局
大阪万博(2025年日本国際博覧会)は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界中から人々が集まる国際的なイベントで、日本が持つ先端技術や文化を世界に発信する機会となっています。
訪日観光客は、何を求めて日本へ?
• 文化: 着物、温泉、祭など、日本独特の文化や伝統。
• 食: 寿司、ラーメンなど、多様な食文化。

訪日観光客は、四季、伝統、食など、日本ならではの文化を感じることを求めています。
日本らしさや地域特性を活かした店頭での情報発信や体験の提供が、
商品やサービスを魅力的に見せるポイントになりそうです。
また、訪日観光客は、私たち日本人にとって身近な商品、サービスに対しても驚きを感じています。
最近では、観光客がコンビニの卵サンドのおいしさに驚く動画がSNSで話題になっていましたよね。
日本人にとっては当たり前でも、訪日観光客には魅力的に映る商品やサービスがまだまだありそうです。
そこで今回は訪日観光客が驚く「日本の当たり前文化」とその文化を活かした店頭施策をご紹介します。
訪日観光客が驚く「日本のあたりまえ文化」 4選
① お土産文化
日本人は旅行先や出張先からのお土産を、家族や友人、同僚に配ることが一般的ですが、
日頃の感謝や気配りとしてお土産を贈る文化に驚く観光客も多いそうです。
また、地域限定包装の美しさ、包装紙やのし、ラッピングのクオリティの高さなども驚きの理由だとか。
【お土産文化を活かした店頭施策】
● お土産用メッセージタグ(多言語)
● 選べる手提げ
● お土産のセット提案
② おにぎり文化
コンビニ、スーパーで販売されているおにぎりもコスパの良さと手軽さ、
具の種類の豊富さなどで注目され、ブームになりつつあります。
おにぎりが日本人の食の象徴と言われる背景も、観光客にとっては興味深いポイントです。
【おにぎり文化を活かした店頭施策】
● おにぎりづくり体験
● おにぎりのいわれや背景の情報発信(多言語)
● 試食会
③ 接客文化
「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」の声掛けに驚く観光客は多く、
購入した商品を手渡しする、お辞儀するなども日本人の「おもてなし」の象徴として
受け取られています。
④ 季節感を楽しむ文化
訪日観光客にとって季節ごと、生活催事ごとに売り場のイメージが変化するのも魅力のひとつです。
日本の売り場装飾は、単なる商業空間を超えて「日本らしさ」を体感できる空間となっています。
商品への関心を高めるだけでなく、売り場を通して季節を体感する空間は観光客の満足度を引き上げます。
3月初旬から桜の装飾を始める売り場が増加します。
冬から春へ、日本のお花見を表現した鮮やかな売り場づくりをしてみてはいかがでしょうか。
桜の造花を使って、売り場を手軽にお花見モードに!
昭和改元100年目!日本特有の文化 「昭和ノスタルジック」
2025年は、昭和改元からちょうど100年目のメモリアルイヤーです。
これを活用して、より日本文化を体験していただく機会にしましょう。
2025年は昭和元年(1926年)から数えて100年目の節目の年です。
昭和は、日本の高度経済成長期やポップカルチャーが花開いた時代として国外でも、「昭和レトロ」として再評価されています。
国内でも昭和時代(1926~1989年)を象徴する独特の文化や雰囲気が「昭和レトロ」としてブームになっています。昔ながらの街並み、縁日、レトロなデザインは、外国人観光客にとっては魅力的な「日本らしさ」です。
縁日風の売り場づくりで再現
縁日は、提灯、祭うちわ、すだれ、紅白幕を活用することで、一気に縁日の雰囲気に。
すだれにも狐のお面にも、それぞれに込められた意味や役割があり、装飾に活用することで
日本の文化を楽しんでもらえる演出ができます。
● 祭うちわ 疫病除けや虫よけのために使われていた。
● 狐のお面 金運や商売繁盛のご利益があるといわれている。
昭和改元100年目の2025年、昭和100周年の2026年は、昭和の雰囲気を再現した売り場で、
昔ながらの親しみやすい魅力でおもてなししてみませんか。
まとめ
インバウンド対応というと、オーバーツーリズムや言葉の壁などの課題もありますが、
今回は改めて、訪日観光客が何を求めていて、何に魅力を感じているのかをまとめました。
観光客の増加は、私たち日本人にとっても地域の魅力、日本らしさの再発見につながる貴重な機会でもあります。
店頭でのコミュニケーションを大事にしつつも、視覚で「日本らしさ」を魅せ、新鮮な買物体験の提供をしていきましょう。