いまこそ売り場で促進!「おうち防災」

元日に発生した能登半島地震や、今も不安が続く南海トラフ地震。2024年は防災意識が大きく高まった年でした。災害と聞くと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「避難」です。でも実際には、「おうちの中で避難」をする人が多いことをご存じでしょうか?(能登地震では、少なくとも4,500人が在宅避難を余儀なくされたと見られています。)

避難所に入れる人は限られており、二次災害的な健康被害やプライバシーの問題があるため、地域によっては自宅での避難も推奨されています。今回は、今注目されている「おうち防災」という選択肢について売り場でどのように伝えて防災意識を高めるかをご紹介します。

在宅避難のニーズが高まる理由

在宅避難のニーズが高まる主な理由は4つです。

避難所では物理的に距離が近いことで起きるトラブルもあります。

在宅避難は家族で過ごせるという安心感もポイントとなるため今後もニーズが高まりそうです。

✓感染症のリスクを減らす 
✓プライバシーを守る
✓犯罪やトラブルのリスクを減らす
✓家族で過ごせる

売り場での「おうち防災」促進方法

1. 「おうち防災」をテーマにした売り場づくり

「おうち防災」のタイトルポスターを設け、関連商品を設置した特設コーナーを作成しましょう。「在宅避難時に最低限揃えたい日用品」を一覧にして掲示するなど、初めて備える人にもわかりやすい売り場にすることがポイントです。

防災用品は暮らす地域によって必要な日用品が異なります。その地域に合わせたポスターをオリジナルで作成するなど、各地域に寄り添った展開をしていきましょう。

※イメージ

防災意識を高める売り場作りの際の注意点

ポスターを掲示する売り場全体を考慮した場合の注意点です。下のA・Bの写真は、備蓄用としても有効な冷凍食品の売り場展開例です。AとBの写真の大きさは同じですが、Bと比べるとAの売り場が前に出ているように見えませんか?

A 黄色×黒

B ピンク×白

これは、Aの売り場が進出色(手前に感じられる、飛び出て見える色)の彩やかな黄色を多用しているからです。逆にBの売り場が後退して見える原因は、淡い配色でまとめたことにより売り場になじみすぎてしまったからです。冬の売り場はあったかメニューやグッズなどの訴求を行うため店内が暖色系で彩られることが多く、淡いピンクはなじみすぎてしまいます。防災関連の売り場は店内の色合いも考慮し、なじみ過ぎない鮮やかな配色で誘目性を高めましょう。

2. ローリングストックについての情報発信

おうち防災は、非常時でも“普段通り”の生活感をどれだけ保てるかがポイント。そして、ローリングストックも非常時でも”普段通り”の食事ができる安心感を得られるというメリットがあり、おうち防災に取り組む人にとっては切り離せないストック法です。

ローリングストックでは「家族の人数×3~7日分の備えが必要」と言われています。食べたことのない保存食のストックだと「これでお腹が満たされるのか」をイメージしにくいですが、いつも食べている食品の3日分と考えるとイメージがしやすく、考えているより多めの食品購入が必要だという気づきにつながります。

また、食品にとどまらず、それらをストックする場所の確保や容器の準備、調理器具など、

防災を意識しつついつも通りに暮らすには何が必要なのかが明確になります。

ローリングストックについての情報発信は、食品スーパーに限らず在宅避難を具体的に考えるきっかけづくりになるので、こまめに情報発信をしましょう。

3. 防災イベントの実施

防災の日は震災を契機として制定されているものもあり、9月、11月、1月、3月に制定されています。イベントは防災を自分ごとにするきっかけにもなりますし、もしもの時に誰かを助ける取り組みにもなります。防災意識が高まっている今だからこそ、売り場で防災イベントやノベルティ配布を実施しましょう。

9月1日 防災の日 ※9月は防災月間
11月5日 津波防災の日
1月17日 防災とボランティアの日  ※阪神・淡路大震災をきっかけ制定
3月1日 防災用品点検の日 ※関東大震災をきっかけに制定
3月11日 防災意識を育てる日 ※東日本大震災をきっかけに制定

最後に

「おうち防災」は、これからの災害対策のスタンダードになりつつあります。
売り場での適切な商品展開や情報提供を通じて、消費者に在宅避難の重要性を伝えていきましょう。

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